<< 自然を揺るがす少女と。【白蓮銀】②
自然を揺るがす少女と。【白蓮銀】④ >>
自然を揺るがす少女と。【白蓮銀】③
2017-01-15 16:16:38
「ちょっと、アンタ!さっきから、ついてきて何なのよ」
「そんなんウチの勝手やん」
「はぁ!?」

平然と言ってのけた銀に、少女は嫌気がさし、バッグの中に手を伸ばす。
苛立ちを隠そうとしない少女に、銀は何をするのだろうとにこやかに見守っていた。

「異能力【天変地異】」
「異能力…?」

突如そんな事を口にした少女に、銀は目を細める。
––––––「異能力」。その存在を、番人である銀が知らないはずがなかった。
いつかは忘れたが、神が言っていた「異能力」という存在。
それを少女が今まさに、目の前で展開しているのだ。

「師匠には使うなって言われてるけど…」

呟いて、バッグから取り出したタンバリンを叩く。
その直後、電柱の陰に咲いていた花が、銀に襲いかかった。
へぇ、と銀は笑みを零して、その攻撃を難なく避ける。

「なッ…、」
「よっ、と」

目を見開き、唖然とする少女はお構いなしに、銀は回し蹴りをお見舞いした。
十分手加減はしたが、それでも威力は強く、少女は後方に吹き飛ぶ。

「いっ…、」
「へぇ、受け身は取れるんやね」

ケラケラと笑う銀を、少女は睨みつけた。


・・・パート④へ続く