<< 自然を揺るがす少女と。【白蓮銀】
自然を揺るがす少女と。【白蓮銀】③ >>
自然を揺るがす少女と。【白蓮銀】②
2017-01-15 16:04:01
「なぁなぁ、どないしたん?」

少女に目線を合わせるようにして、銀は屈む。
突然話しかけてきた銀髪の女に、一瞬驚いた様子を見せると、少女は眉間に皺を寄せた。

「誰よ、アンタ」
「いきなりでごめんなぁ。ただ、お嬢ちゃんが不機嫌そうだったから…」

警戒する少女の金色の髪を、可愛いなぁ、と優しく撫でる。
少女は、その手を払いのけると、ブランコから降り立った。

「…何処行くん?」
「……」

少女は、銀の問いには答えず、ズカズカと大股で歩いていく。
銀は困ったように笑うと、その後を追った。





先程から、背後に感じる気配。
それに嫌気がさして、少女は振り向いた。

「ちょっと!」
「ん〜?」

電柱の影から姿を現した銀は、最初から隠れる気などなかった。
その気さえあれば、少女が気配に気付く事はないだろう。


・・・パート③へ続く