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この夕陽に想いを馳せて【美影神羅】② >>
この夕陽に想いを馳せて【美影神羅】
2016-12-19 22:57:07
バシャッ、と水飛沫が散った。

「もう、探しましたよ、美影さん!」

聞き慣れた後輩の声が何だか鬱陶しかった。
チッ、また失敗したか。と舌打ちをかまして、立ち上がる。

「後、もうちょっとで死ねそうだったのに」
「なら、尚更助けて良かったです!!」

嫌だなぁ、もう。と目を伏せて、虚ろな瞳で影を見る。
自身の足元から伸びる影を睨みつけて、顔を上げた。

「不動君はどうだい?五月蝿い?」
「そりゃあ、もう!」

だから早く帰りましょうよ、と言う後輩の声を無視して、美影は歩き出した。
ちょっと…!?と焦る後輩。そんな後輩に手を振って、美影は振り向いた。

「先に帰ってて」



・・・パート②へ続く